「普天間全機飛行種停止を」 渡名喜村議会が抗議決議


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嘉手納町上空を飛行するAH1攻撃ヘリ。下の建物は沖縄防衛局=25日(読者提供)

 米軍普天間飛行場所属のAH1攻撃ヘリが23日夜に沖縄県渡名喜村の急患輸送用ヘリポートに不時着したことを受け、村議会(比嘉正樹議長)は25日に臨時会を開き、不時着に対する抗議決議と意見書を全会一致で可決した。事故原因が明らかになるまで米軍普天間飛行場所属の全航空機の飛行・訓練中止などを求めている。だが25日もAH1ヘリをはじめ、普天間飛行場所属機は夜間まで県内各地で飛行を続けた。日本政府のAH1飛行停止要求や、県などが求める全機種停止も無視し続けており、県内の反発がさらに高まるのは必至だ。

 村議会決議を受けて桃原優渡名喜村長と比嘉村議会議長は26日午後、那覇市前島の那覇防衛事務所を訪ね、沖縄防衛局の関係者に直接抗議文を手渡す。

 AH1ヘリの飛行は25日も、金武町の米軍ブルービーチ訓練場や嘉手納町、読谷村で目撃された。今月8日に読谷村で不時着したAH1と同一の機体も普天間飛行場を離陸し、米軍嘉手納基地に飛来した。普天間飛行場周辺での訓練は夜間まで続いた。宜野湾市役所や市野嵩の市街地上空も通過した。嘉手納基地に午後5時すぎに着陸したAH1はいったん機関砲の弾を積んだが、その後、下ろしたとみられる。

 目撃者によると、金武町のブルービーチ訓練場では、浜辺で米兵がテントを張り、レーダーを掲げて訓練している上をAH1が飛行する様子が確認された。

 渡名喜村議会の抗議決議と意見書は、今月発生したうるま市伊計島と読谷村儀間のヘリ不時着にも触れ「米軍航空機の事故が、これまで枚挙にいとまがないほど多発している」と指摘。村でこれまでに発生した8回の不時着を踏まえ「異常事態であり、村民に与えた不安は強く、怒りは頂点に達している」と強い憤りを示した。

 米軍に対しては「安全管理体制の不備を強く指摘せざるを得ない」と批判し(1)在沖米軍所属ヘリの緊急総点検と再発防止策の実施(2)事故原因が明らかになるまで普天間飛行場所属の全航空機の飛行・訓練の中止(3)日米地位協定の抜本的改定―の3点を求めている。