県高校新人駅伝 男子コザ 女子名護 V


この記事を書いた人 琉球新報社
第5区最後の上り坂で北山の新城龍祐を抜き去るコザの山城弘弐(左)=26日、今帰仁村の公認マラソンコース(中川大祐撮影)

 駅伝の県高校新人体育大会・第25回県高校新人競走大会は26日、今帰仁村総合運動公園付帯公認マラソンコースと本部町(男女それぞれ5区間、21.0975キロ)で行われた。男子はコザが最終5区で北山を逆転し、1時間6分45秒で2年ぶり10回目の優勝を飾った。女子は名護が1時間19分09秒で6年ぶり7回目の頂点に立った。コザの総合タイムは、男子が21.0975キロでレースを行い始めた2012年の第19回大会で同校が出した大会記録にあと8秒と迫った。コザ4区(3キロ)の金城岳が9分08秒、5区(5キロ)の山城弘弐は15分46秒で共に区間新記録で走った。男女優勝チームは九州選抜駅伝(鹿児島県阿久根市、3月12日)の出場権を得た。

 【コ  ザ】
  男子のコザが、北山とのデッドヒートを土壇場で制した。トラック中長距離の県大会の表彰台選手がそろうコザ。各区間、いずれ劣らぬ名勝負となったが、勝負は最終5区(5キロ)ラスト700メートルの上りだった。トップの北山から8秒遅れで走り始めた山城弘弐は、焦らずペースを守った。最後の坂道に入る直前に北山・新城龍祐の背後まで詰め、上り始めで一気に加速。19秒差でテープを切った。「追い付くと思って(冷静に)待てた」。快走の1年生は区間新と二重の喜びとなった。

 1区(6キロ)出走予定の2年生エース・金城岳が大会前にインフルエンザにかかり、全体の区間変更を余儀なくされた。2区から1区に代わった仲宗根良真主将は途中で強風をよけて先頭集団の後ろにつける落ち着いた走りで、最後はトップに立ち、北山に9秒差をつけた。

 2区(4・0975キロ)は、タイムがレギュラー中で最も遅いという1年の饒平名寛弥。「北山と並ぶ。差をつけられても5秒以内」と大会前に想定したが、予想を上回る粘り強い走りで、ラスト1キロまで首位を死守した。「ここで負けたらチームが負ける」。最後に抜け出した北山からの遅れも3秒にとどめた。

 大会前日ようやく練習に合流した金城は4区で26秒差から北山を追った。「10秒以内で山城(アンカー)につなげれば勝てる」。攻めの走りで差を18秒縮める力走は区間新となった。

 夏はチーム全員での南九州や全国総体出場を掲げる。「11月の県大会で勝ち、都大路へ出場したい」と仲宗根主将。チームは上り調子で向かっていく。

名護の第2区・伊野波理桜(左)からたすきを受ける第3走者の座覇蘭=本部町の第2中継所

 【名  護】
  序盤から独走態勢に入った名護女子が1時間19分09秒で栄冠を手にした。起伏に富むコースに加えて強風に阻まれ、昨年末の全国大会(都大路)で記録し、目標にした17分台の更新はできなかった。「悔しい」(5区・大城真歩主将)と話し、九州や全国での戦いを見据えて気を引き締めた。

 1区(6キロ)の比嘉みゆが早々に単独首位に立ったが、強風にリズムを乱されて3~4キロでピッチを落とす。他チームに上級生がおり、先頭集団で競り合うことが多かったこれまでの県内大会では経験したことのない独り旅にも戸惑った。レースの仕掛けや悪天候への対応など、「いい流れをつくる」1区の重要性を再認識した。

 2区(4・0975キロ)の伊野波理桜は都大路で1区を経験したばかりの、唯一の1年生だ。15分を切る好タイムにも、スピードに乗れずに不得意な下り坂を攻略できなかったと納得しない。「体調だけでなく足のコンディションなどもしっかりしていく」(伊野波)。選手個々が意識を新たにしたレースだった。
(石井恭子)