沖縄県内歩道橋、要補修35% 50年超「老朽」3基


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 沖縄県内に設置されている国管理の横断歩道橋55基のうち、2016年度末までに点検を終えた34基で「早期に措置(補修)を講ずべき状態」にある区分3の歩道橋は、那覇市の天久歩道橋や浦添市の城間歩道橋など12基(35%)あったことが沖縄総合事務局への取材で分かった。沖縄の日本復帰前に設置され50年以上経過した歩道橋は嘉手納町の水釜歩道橋など3基あった。

 区分3の歩道橋について、同局道路管理課は「(5年以内にある)次の点検までに補修工事を実施する予定で、現時点での使用に問題はない」とした。天久歩道橋は欄干が一部腐食し穴が開いているが、鋼板をあてがうなどして補修する。

 「予防保全の観点から、措置を講ずることが望ましい状態」にある区分2の歩道橋は、那覇市の泉崎歩道橋や泊歩道橋など19基。

 設置後40~49年経過した歩道橋は23基、30~39年は9基。10年後には全体の46%の歩道橋が架設から50年を超え“歩道橋の老朽化”が進むとみられる。

 同課は未点検の21基を18年度までに点検する。「予防保全措置を取ることで維持管理費が安くなるため、定期的に点検し長持ちさせていきたい」と話した。

 一方、県が管理する歩道橋26基で、点検を終えた歩道橋はゼロだった。県道路管理課は、14年の改正道路法で基本化された目視点検の最終年度に当たる18年度に、全ての歩道橋の点検に着手するとしている。同課は「橋梁(きょうりょう)の点検に先に着手していることが理由の一つ」と説明した。

 12年12月に起きた笹子トンネルの崩落事故を受け、14年に改正された道路法で国直轄の歩道橋やトンネルなどの定期点検は義務化されたが、県や市町村管理については義務化されていない。(砂川博範)