「のぞみの像」新生 五輪聖火ランナー表現


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新たに設置されたブロンズ像の前で喜ぶ児童たち=1月30日、名護小学校

 【名護】沖縄県の名護小学校(渡久地義幸校長)にある市指定文化財の「のぞみの像」が劣化のため、新たなブロンズ像が建立され、完成した像が1月30日、同校に設置された。お披露目式は2月4日、同校体育館で行われる名護小創立135周年記念事業期成会の記念式典と祝賀会で行われる。

 「のぞみの像」は同校の1964(昭和39)年度卒業生が、卒業記念で贈呈した。同年に開催された東京オリンピックを記念して、聖火ランナー少年を描いた「のぞみの像」を建立することに決まり、彫刻家の玉那覇正吉氏に依頼し製作された。

 しかし、劣化が激しく聖火を持つ右手が壊れるなどしたため新たにブロンズ像を製作することになり、製作費410万円のうち半額を市教育委員会から補助を受け、残りを卒業生からの寄贈で充てることになった。それまでの「のぞみの像」は名護博物館に収蔵されている。

 ブロンズ像は、富山県高岡市の竹中銅器が約3カ月間かけて製作した。重さ約480キロ、高さ190センチ、聖火までの長さは338センチ。台座の高さは160センチ。「オリジナルに忠実に復元した」という。

 台座の裏には「のぞみの像」のいきさつを書いたプレートも張り付けられた。当時の卒業生の作文も刻まれており「私たちはのぞみの像を通して常に健康で誠実で勤勉で孝行であるようにということを教わりました」とつづられている。

 渡久地校長は「新しいブロンズ像がお目見えして子どもたちもきっと喜ぶと思う」と話した。

 3年の新城大樹君は「とても上等になった。とってもうれしい。前のものは手もなくて怖かった。新しくなり気持ちがいい」と喜んだ。(幸地光男通信員)