「悔しい思い繰り返さず」 具志堅会長、思い込め大吾に「アイス」


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 37年前の「敵討ち」とも言える闘いのゴングが4日午後8時、県立武道館で打ち鳴らされる。1981年、世界ボクシング協会(WBA)ジュニアフライ級王者の具志堅用高氏が沖縄で開催した14度目の防衛戦で敗れ、引退を決めた。当時の悔しさを「今日のように思い出す」という具志堅氏が育てた比嘉大吾が、世界ボクシング評議会(WBC)フライ級王者となって凱旋(がいせん)し、2度目の防衛戦に挑む。3日、那覇市内のホテルであった前日計量は王者・比嘉、挑戦者モイセス・フエンテス(9位)ともにクリアし、あとは本番を待つのみ。「KOで勝つだけ」。比嘉は多くの先達の思いをリングで果たす。

計量をパスし、紅イモ味のアイスを口にする比嘉大吾=3日午後

 具志堅用高会長は計量直後、比嘉大吾に紅イモ味のブルーシールアイスとスッポン汁を「悔しい思いを繰り返さないように」との思いを込め、手渡した。

 1981年、沖縄で開催した14度目の防衛戦で敗れた具志堅会長。当時は、当日計量だった。慌ただしい中でアイスが食べられず、試合までに回復できなかったという。「37年前、食べられなかったことを今日のように思い出す。(食べていれば)20回ぐらい防衛していましたよ」と取材陣の笑いを誘った。4日の本番に向け、いつものように最高のスッポン汁とステーキを比嘉に用意しているという。

 4日の試合については、県民には「外に飲みに行かず、模合も家でやって、テレビで試合を見てほしい。50%以上の視聴率でね」と呼び掛けた。昨年亡くなった興南高校時代の恩師・金城眞吉氏を追悼する10カウントも企画するほか、過去に活躍した県出身ボクサーもリングサイドに招待しており、まな弟子の歴史的な一戦を多くで見守るという。