【アメリカ】押元さんデザインに称賛 北中城出身、カザフ出身歌手へ衣装


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押元末子さんがデザインした衣装をまとうカザフスタン出身の歌手、ディマシュ・クダイベルゲンさんのイラスト(押元事務所提供)

 ハリウッドで衣装デザイナーとして活躍する北中城村出身の押元末子さん=旧姓・上間=がこのほど、世界的に有名なクリスタルアクセサリー製造のスワロフスキー(オーストリア)のアジアブランディング支社シンガポール事務所からの依頼を受け、カザフスタン出身の歌手、ディマシュ・クダイベルゲンさんのワールド・ツアーの衣装をデザインした。スワロフスキーとコラボレーションした押元さんのオープニング衣装に、会員制交流サイト(SNS)などで称賛の声が上がっている。

 歌手のディマシュさんは、2017年1月に中国で人気の歌手コンテスト番組「歌手2017」に出演し、一夜にして爆発的な人気を得た。“中国のグラミー賞”といわれる「トップ・チャイニーズ・ミュージック・アワード」で優勝し、全世界にその名が知れ渡った。米歌手のマライア・キャリーさんと同じ5オクターブの音域を持つといわれている。

 押元さんがデザインした衣装は、大小の色とりどりのスワロフスキーのクリスタルが縫い込まれたスカイブルーのローブとマスク。さらにクリスタルをふんだんに使用した襟と肩のデザインが特徴的なジャケットとズボンだ。

 コンサートのオープニングで、ディマシュさんが押元さんデザインのローブを着用し登場すると、会場からは割れんばかりの歓声が上がったという。ディマシュさんはローブを脱ぎ、ジャケット姿で6曲を歌い上げた。動画投稿サイトの「ユーチューブ」や写真共有アプリ「インスタグラム」には、押元さんがデザインした衣装への称賛のコメントが数多く寄せられているという。

 押元さんは衣装制作で苦労したことについて「クリスタルの大きさと色のバランスを取るのが大変だった。アーティストのキャラクターを生かしながら、スワロフスキー社の品格を出すことを心掛けた」と語った。「衣装のデザインを始めたころからスワロフスキー社のクリスタルを使っている。以前、クリスタルを好きなだけ使ってデザインしてみたいと話していたので、今回夢がかなってうれしい。今後もスワロフスキーとのコラボは続けていく」と語った。

 スワロフスキーシンガポール事務所はアジア人の衣装デザイナーを探しており、今回、押元さんに白羽の矢が立った。押元さんは「アジア人衣装デザイナーの代表に選ばれたのかもしれません」と笑みを浮かべた。
(当銘貞夫通信員)