サッカーJ3のFC琉球が、4月から通信制の高校「FC琉球高等学院」を沖縄市安慶田に開校する。Jリーグ加盟クラブによる学校運営は初。6日、沖縄市役所で記者会見が開かれ、琉球の経営母体である琉球フットボールクラブの倉林啓士郎社長が設立経緯や理念を説明した。倉林社長は「沖縄県内唯一のJリーグクラブとしての基盤とネットワークを活用し、スポーツ教育を主体としていく。琉球としても、選手の獲得などの相乗効果が期待できる」と語った。
スポーツ教育の充実や人材育成、県内のスポーツ振興などが目的。3年課程のスポーツコースと普通科コースのいずれかを選択でき、スポーツコースはFC琉球U―18、またはFC琉球高等学院サッカー部に所属し、プロを目指すことができる。普通科コースは高校卒業資格取得を目指し、キャリア教育も行われる。県内の高校中退率が全国と比べても高いことなど、高校中退者の受け皿としての期待も高まる。
授業や単位取得については岡山県の鹿島朝日高等学校(通信制)のカリキュラムに準じ、卒業後には同校の卒業資格が与えられる。 強豪・国学院久我山高サッカー部の総監督で、FC琉球高等学院の学院長への就任が決まっている、琉球フットボールクラブの李済華(リ・ジェファ)ゼネラルマネジャーは「子どもたちにはスポーツと勉強を同じレベルで目指す“生涯文武両道”の礎としてほしい」と意気込んだ。また、県高校体育連盟へ登録し、公式試合出場も目指す。
スポーツコンベンションシティを宣言している沖縄市の桑江朝千夫市長は「(開設は)大変うれしい。県内のサッカーレベルを上げ、後々は沖縄の子どもたちが県外に出て活躍していくのも夢ではない。できるところはサポートしていきたい」と協力の姿勢を見せた。
スポーツコース、普通科コース合わせて40~50人ほどを定員とする。新入学の出願は始まっており、募集期間は4月中旬まで。転入・編入学は随時受け付ける。問い合わせは(電話)098(923)0547(FC琉球高等学院)、gakuin@fcryukyu.comまで。