沖縄に家庭向け新電力、兵庫の洸陽電機が初供給 4月開始、沖電より安価


この記事を書いた人 Avatar photo 桑原 晶子

 発電や省エネルギー関連の事業を手掛ける洸陽電機(兵庫県、乾正博社長)は9日、沖縄県内で一般家庭向けの低圧電力を販売すると発表した。2016年4月に電力の小売り全面自由化が始まってから、新規参入した電力会社(新電力)が家庭向けの電力を販売するのは県内で初めて。3月から申し込みを受け付け、4月までの供給開始を目指す。電気料金は沖縄電力よりも安く設定している。

 新電力はこれまで工場や商業施設向けの電力を供給してきた。家庭向けは沖電が電力供給の中心だった。洸陽電機が参入することで競争が促され、電気料金低減などが期待される。

 洸陽電機の家庭用電力メニューでは、最低料金が月355円で、沖電より10・1%割安となっている。使用電力量に応じて11~120キロワット時で1キロワット時当たり22円50銭、121~300キロワット時では同27円、301キロワット時以上では同28円で単価を設定した。いずれも沖電より0・1~6・4%割安の料金になっている。洸陽電機の家庭向け電力が供給されるのは沖電の本島系統につながっている地域で、離島は対象外となる。

 洸陽電機は16年12月から官公庁や商業施設などへの電力供給を始めた。電力は太陽光発電や県内のバイオマス発電などから調達している。沖電が新電力を対象に新たな電力の卸売りメニューを開始することから、洸陽電機は「沖電からの卸電力供給も活用することで(家庭向けに)供給の見通しが立った」としている。

 新電力の家庭向け電力供給を見据えて、沖電も新たな電気料金メニューを6月から提供する。洸陽電機の担当者は「電力を安定的に供給することに問題はない」としている。問い合わせはフリーダイヤル(0120)093109。