キングス 滋賀に連勝 68―57 Bリーグ第36戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区1位、27勝8敗)は11日、沖縄市体育館で滋賀レイクスターズ(同4位、11勝24敗)と今季第36戦を行い、68―57で勝利した。

 第1クオーター(Q)から、キングスは粘りの守備で滋賀のシュート決定率を落とすと、小回りのきいた連係プレーでリードする。第2Qはヒルトン・アームストロングや渡辺竜之佑が相手外国人選手にしっかり張り付き、滋賀のチャンスを随所で防いだ。キングスのミスや相手のビッグプレーには素早いタイムアウトで立て直すなど、堅実な試合運びで点差を広げていった。

 後半はプレスを強めた滋賀の守備に、キングスは相手を勢いづかせるようなミスも出したが、互角の展開で踏みとどまり、滋賀に2連勝した。

 次戦は2月16、17の両日、青山学院記念館で東地区のSR渋谷と対戦する。(観客3440人)

キングス 28勝8敗
 68―57(21―11,21―13,14―11,12―22
滋賀 11勝25敗

 【評】キングスは第1Q、攻守でチームワークが光り、ミスなくリードを広げ、第2Qは序盤から連続得点を決めた。しかし、滋賀が守備の重圧を上げると、後半は競り合いの展開へ。攻撃が停滞した時間帯に滋賀の3点弾に苦しめられた。ミスもあったが、田代直希が攻守で力みなぎるプレーを発揮するなどし、滋賀の追い上げを防いだ。

◆前夜の指揮省みポジティブ指示 佐々HC、原点戻り

 11日は試合前から選手らに積極的に声を掛けていた佐々宜央HC。「今日は一つ一つポジティブにいく姿勢を意識した」という。

 10日の試合は勝ちはしたが「フラストレーションがたまる内容」だった。だが、同日夜、試合映像を見返して「自分自身のコーチングもどうだったか」と振り返ったという。選手らが楽しくプレーしていると感じられないことに、「コーチを始めた時に一番やってはいけない『選手が駄目だ』と言い過ぎていた。自分のことを省みていなかった」と気づいたという。

 11日は朝練や試合前、試合中と対話を増やした。「一緒にいる時間が短いチームだから、原点に戻って一つ一つポジティブにいこうと。ミスしても切り替えてやれよ、と。前向きに。コーチとしてその姿勢を出そうと意識していた」と話した。

◆いい形できなかった

 ショーン・デニスHC(滋賀)の話 西地区1位のキングスの素晴らしい力で第1Qがビハインドスタートとなった。ベンチスタートの選手も頑張って最後に好機も見えたが、やはり、試合開始からいい形ができなかったのが惜しい。

◆ひと皮むけたゲーム

琉球ゴールデンキングス―滋賀レイクスターズ 第4Q、ゴール下を狙うキングスの田代直希=11日、沖縄市体育館(具志堅千恵子撮影)

 得点源のハッサン・マーティンをけがで欠き、岸本隆一は得点ゼロと「今季で最も調子が悪かった」と振り返る試合だったが、プレータイムを伸ばした渡辺竜之佑をはじめ、田代直希やヒルトン・アームストロングがエナジーを発揮し、一致団結したキングスがチームとしてひと皮むける勝利をつかんだ。

 10日の滋賀戦は勝ちながらも内容の悪さが目立ったが、一夜明けたキングスは自らをしっかり越えてきた。第1Qから連係技で得点を重ね、ミスなくリードを広げていく。田代直希も「今日はやってやろうという気持ちがあった」と滋賀の守備の隙を突くドライブや速攻を止めるブロックショットで相手の好機をつぶした。

 第2Qは「今日は守備が良かった」と語る渡辺が滋賀のベンキー・ジョイスにしっかり張り付く。相手にドリブルを誘う位置取りからスチールを決めるなど、ジョイスを7得点に抑えてチームを鼓舞した。

 ヒルトン・アームストロングもマッチアップした滋賀のディオール・フィッシャーを抑えたほか、17得点を挙げて勝利を大きく引き寄せ、「的確な場所とタイミングで配球してくれた仲間のおかげ」と笑顔を見せた。

 攻守の「肉弾戦」で結果を残すアームストロングだが、フリースローの決定率の低さが課題。シーズン終盤は1点が勝敗を分ける。「試合中に考えすぎてしまうことが多いので、グレートなコーチの浜中謙ACと二人三脚でやっていきたい」と、自身の新たな武器の獲得に急ぐ。(嘉陽拓也)