災害時のデマに注意 モバイルプリンスの知っとくto得トーク[46]


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

モバイルプリンス

 

日本時間7日未明、台湾東部で震度7級の大地震が発生した。死者やけが人も出て、大変な事態になっている。

日本でも2011年3月に東北を中心とした大地震が発生したね。その時、台湾からも多くの募金をもらったので、今回の地震では「日本が台湾を支えよう」と募金活動などが広がった。

 

そうでしたね。
 

モバイルプリンス

 

そんな中、ツイッターで「ここに募金をするとお金が朝鮮へ流れるので注意してください」というデマが拡散されたんだ。投稿が削除されるまでの2日間で6万回以上リツイート(転送)され、多くの人の目に留まったと思う。

確かに大きな災害のあと、募金を装ってお金をだまし取る人たちも出てくる。「そうしたところへの注意のため」としてデマ投稿をリツイートした人もいるでしょう。しかし注意させるためならデマもOKということにはならない。

まして、今回名指しされたのはきちんと活動している募金団体。軽い気持ちで広げた人たちも反省しないといけません。

 

そうですね。
 


イラスト・小谷茶(コタニティー)

モバイルプリンス

 

今回のデマ投稿には「朝鮮・北朝鮮へお金が流れます」という言葉が入っていた。こうした投稿が広がることで「朝鮮・北朝鮮は他国の震災に便乗し、だましてお金を集める」という間違った認識も植え付けてしまう。

正直、ミサイル問題などもあり、北朝鮮と日本は良好な関係とはいえない。解決しないといけない課題もたくさんある。課題を丁寧にひも解くためにも、デマで間違ったイメージを広げるのは良くない。

 

難しい問題が、デマによってさらに難しくなるということですね。
 

モバイルプリンス

 

そうだね。今回に限らず、大きい自然災害のあとはさまざまなデマが広がる。焦ってパニックになり、冷静な判断ができなくなるからだ。災害のあとは人命救助が始まり、そのあと復興へと向かっていく。

そんな中でまき散らされるデマは、救助を妨害し、復興をも妨げる。100年前の関東大震災では「朝鮮人が井戸に毒を入れている」というデマが広がり、実際に朝鮮人が殺される事件にもなった。

災害時には外国・外国人がターゲットになるデマが広がりやすいという「歴史」を知って、これからも気をつけるようにしよう。

 

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

http://smartphoneokoku.net/