キングス、しのぎ30勝 Bリーグ第38戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区1位、29勝8敗)は17日、東京都の青山学院記念館でサンロッカーズ渋谷(東地区4位、22勝15敗)と今季第38戦を行い、84―77で勝利した。

 第1クオーター(Q)、キングスは石崎巧を中心に渋谷の守備をかき回してリードしたが、第2Qから渋谷の個人技に苦しめられる。失点後も素早く攻撃に切り替えたが、相手のプレスにボールが回らず、タフ気味なシュートが相次いだ。

 7点を追う状態で始まった後半、古川孝敏が勝負どころで2連続で3点弾を射抜いて逆転。後は全員でリードを守り切り、アグレッシブな渋谷の攻撃をしのいだ。

 元キングスで渋谷のPG山内盛久はプレイタイム13分で2得点だった。

 次戦は3月2、3日、沖縄市民体育館で大阪エヴェッサとホーム2連戦を行う。(観客3245人)

キングス 30勝8敗
84―77(25―20,14―26,26―13,19―18)
SR渋谷 22勝16敗

◆価値ある勝利

 佐々宜央HC(キングス)の話 これ(この勝ち方)を求めていた。この試合は前向きに積極的にやり続けた。7点ビハインドの第3Qは選手らが気持ちを強く持って戦ってくれた。価値ある勝利だった。

◆要所で逆転、守りきる

 勢い付いた渋谷に前半リードされても、キングスは精度の高いシューターの古川孝敏を中心にしぶとく戦い、巻き返した。群雄割拠の東地区の中で、守備力に定評のある相手に2日連続の守り勝ち。耐えてしのぐ戦況の中でも崩れないチームの底力が「価値ある勝利」(佐々宜央HC)をつかみ取った。

 序盤は石崎巧を中心に素早くリングを狙えたが、渋谷に攻撃の起点を抑えられ、もたつく。停滞する時間帯は続き、渋谷のベンドラメ礼生の個人技に試合をひっくり返された。

 その暗雲を払ったのはハードワーカーの古川だ。「感覚がすごい良く、リングだけ見て狙った」と、ミドル、3点弾2発を決め、チームで連続10得点につなげて逆転した。

 渋谷の執念の追い上げに、ハッサン・マーティンのファウルアウトや手痛いミスも生まれるタフの状況へ。それでも石崎やアイラ・ブラウンの3点弾など、攻守で選手層の厚さを発揮し、すがりつく渋谷のファウルゲームを振り切った。

 精神面の強さで勝利を引き寄せた古川は「タフな2試合目を勝ち切り、悪い時間も我慢できたことは、大きな自信につながる」と、チームを鼓舞し続けたかすれ声で喜んだ。