稲作発祥地、祈る豊作 南城市の受水走水


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豊作を願って、田植えをする仲村渠区民=19日、南城市玉城字百名の受水走水(具志堅千恵子撮影)

 【南城】琉球稲作発祥の地とされている沖縄県南城市玉城字百名の受水走水(うきんじゅはいんじゅ)で19日、豊作を祈願する仲村渠区の伝統行事「親田御願(うぇーだうがん)」が行われた。雲一つない青空の下で、男性区民3人が田植えの儀式をした。

 「親田御願」は旧正月後、初めて迎える午(うま)の日に実施される。区民らは初めに、中国から稲穂をくわえて飛んできた鶴が暴風に遭って力尽きたという「米地(めーじ)」で拝み、その後、受水走水にある「親田」と呼ばれる田んぼで稲の苗を植え付けた。

 「親田御願」に参加した区民の城間富雄さん(64)は「ここが稲作発祥の地であることをしっかり後世に伝えるためにも、この伝統行事は続けなければならない」と話し、植え付けを見守った。