中城の2小学校、15人学級に 4月から1~3年生 沖縄県内初


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 【中城】沖縄県中城村が2018年度から、学力向上などを目的に小学校1~3年の学級数を増やして、1学級15人程度の少人数学級の導入を計画していることが21日、分かった。村議会3月定例会で提案する。村担当者によると、市町村独自で少人数学級を導入するのは県内では初めてで、全国でも珍しいという。比嘉良治教育長は「きめ細やかな教育が可能となり、教育的価値がある」と強調した。

 実施するのは村内3校のうち、中城小学校と津覇小学校の2校。児童数の減少で生まれる空き教室を活用し、学級を増やす。人口増が著しい南上原地区を校区とする中城南小学校では空き教室がないので導入はない。

 計画が実現すれば、18年度は中城小で4学級、津覇小で3学級が増え、教員が7人増える。増員分は村独自に雇用し、予算は約5千万円を見込む。事業の期間は21年度までを予定している。事業効果を検証するため、包括協定を結んでいる琉球大学と協力し、アンケート調査なども実施する。

 文部科学省の担当者は「市町村単位で教員を雇うケースは珍しくはない。ただ、理科や体育の専門ということもあり、少人数学級の実現のために雇ったかどうかはデータでは分からない」としている。

 比嘉教育長は「少人数学級の導入により、発表機会も増える。教員の多忙化解消にもつながる」と期待する。村内全校で導入できないことについては「導入できるところがあるなら、導入することが子どもたちのためになる。全くやらないよりはいい」と語った。教育環境の向上のため、18年度に村教委の指導主事を現在の1人から2人に増やすことや、「教育の日」の創設も計画している。

 浜田京介村長は「チャレンジしがいがある事業だ。先生も行政も毎日勉強することになると思うが、攻めの教育を全面に出したい」と語った。(安富智希)