好況「実感ない」41% 原材料、人件費高が影響 沖縄公庫・小規模企業調査


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 沖縄振興開発金融公庫(川上好久理事長)は22日、県内小規模企業実態調査の結果を発表した。景気拡大の「実感はない」と回答した企業は41・3%を占め「実感がある」の30・8%を上回った。入域観光客の増加など好調な観光業にけん引される形で県内景気は好調を維持しているが、小規模企業は景気拡大の実感が薄いことが浮き彫りとなった。「どちらとも言えない」は27・9%だった。

 対象は従業員20人以下(卸売業、小売業、娯楽業を除くサービス業、飲食店は5人以下)の企業。景況感を業種別に見ると、小売業で「実感がある」としたのは4・8%にとどまり、73・8%が「実感はない」と回答している。人件費や原材料費の上昇分を価格に転嫁できていないことや、ネット通販の普及などが経営環境に影響を与えているとみられる。建設業は「実感がある」が43・1%で「実感がない」の34・3%を上回った。公共や民間の工事需要が底堅く、下請けや孫請けまで受注が広がっていることが予想される。

 2014年度と比較した17年度の売り上げ見込みについては「増加」と答えた企業が50・5%と半数を占めた。「横ばい」は29・2%で「減少」は20・3%となった。17年度の損益状況は「黒字」が48・4%となっており「赤字」の13・5%を大きく上回った。

 経営上の問題(複数回答)は「原材料高」が最も多く15・4%で、次いで「人件費の増加」が13・9%、「求人難」が12・5%などとなった。「事業継承」と答えた企業も6・4%あった。人手不足への今後の取り組み(複数回答)については「給与の引き上げ」(20・7%)、「正社員の拡大」(18・7%)、「給与以外の労働条件改善」(16・1%)などが上がった。

 沖縄公庫が小規模企業を対象とした調査を実施するのは初めて。1349社に調査を実施し、回答数は372件だった。