特別養子縁組、民間で 「未来ネット」発足 沖縄県内初


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 望まない妊娠をした女性の相談を受け、養育が困難な場合は子どもを特別養子縁組につなげる一般社団法人「おきなわ子ども未来ネットワーク」(山内優子代表理事)が1日発足した。沖縄県によると、特別養子縁組に取り組む民間団体は県内では初めて。山内代表理事は「子どもの最善の利益を考慮し、一緒に考えていきたい」と語った。

 同ネットワークの発足は、那覇市やうるま市で起きた乳児の遺棄がきっかけとなった。児童相談所や市町村、県助産師会と協力し、母子が安心して過ごせる環境を整える。メンバーは山内さんのほか、沖縄大助教の砂川恵子さん、県子どもの貧困対策支援コーディネーターの若松るみさん。

 特別養子縁組は戸籍に実親名が記されず、養子の続柄は「長男」「長女」と記載される。縁組の成立には実親の同意など要件を満たすことを前提に、家庭裁判所の決定が必要となる。

 県内では児童相談所が仲介しているが成立件数は過去5年間で年間10件以内にとどまっている。県児童家庭課は、児相が虐待の対応に追われ、特別養子縁組に時間をかけられない現状を指摘し「家庭での養護が子どもにとって大切という厚労省の方針がある。民間の力が必要だ」と話した。

 17日午後2時から那覇市の「那覇市上下水道局みずプラッサ」で設立記念シンポジウムを開く。にんしんSOS東京代表理事の中島かおりさんが講演する。入場無料。問い合わせは(電話)090(4470)8398。