届かぬ抗議「悔しい」 住民感情の違いに驚きも 長崎の大学生辺野古へ


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機動隊の壁に阻まれながら新基地建設に抗議する市民ら=2日正午ごろ、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ前

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、長崎大の森川裕二、近江美保両教授と学生13人が2日、市民が座り込みをしている辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前を視察した。学生たちは「長崎では沖縄のことがあまり報道されない。毎日、抗議の声を上げているのに本土や政府に届いていないのが悔しい」と語った。

 長崎大の学生らは「沖縄と平和」をテーマに1日から3日まで視察している。1日は宜野湾市の沖縄国際大学ら普天間飛行場を視察した。住宅地からの近さや騒音に驚いたという。

 2日のゲート前では午前9時ごろから機動隊が市民を排除し、シュワブ内に砕石を積んだトラックやミキサー車などが入った。

 学生たちは「抗議する人も工事車両の運転手も沖縄の人なので苦しいと思う」と顔を曇らせた。

 2年生の1人は「長崎県の佐世保では米軍基地についてそれほど悪く思っていないところがあるが、沖縄の基地は規模が違うので住民の感情も違う」と驚く。

 「米軍の事件・事故を減らすために新しい条約を結ぶなどして対策を強化すべきではないか」と指摘し「私たちが知ったことを地元で話すだけでも少し変わるはずだ」と沖縄の状況を伝えていく思いを語った。【琉球新報電子版】