
偏ったアンケートに注意を モバイルプリンスの知っとくto得トーク[48]

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ツイッターやインスタグラムには、投稿を見ている人にアンケートを募集する機能がある。
ボタンを一度押すだけで投票できるので、とても簡単だ。
私もやったことあります! 手軽で便利ですよね。

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アイドルが「髪を切ってショートカットにした方がいいと思いますか?」とファンに聞いて交流するのは良い使い方だね。
しかし、社会調査として使おうとすると偏るので注意が必要だ。例えば、高校生が同世代の友人と交流する目的のツイッターアカウントで「あなたは高校生ですか?」とアンケートをとると、ほとんどが「はい」を選ぶことになる。その結果から「ツイッターには高校生が多い」と結論づけるのは正しくない。
あくまで「アンケートに答えたのは高校生が多い」ということしか分からないということですね。

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そうなんだ。特に注意しないといけないのは、賛成・反対両方出てくる社会問題を扱ったアンケートだ。
ツイッターなどのSNSでは、考えが近い人たちが集まることが多い。だから「あなたは○○を支持しますか?」とアンケートをとっても、投稿者の考えに偏った結果になることがほとんどだ。
なのでSNSのアンケート機能は社会調査をするのに向かないよ。

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同じような考えの人が集まり、意見が偏っていくことを「エコーチェンバー現象」「サイバーカスケード現象」と呼ぶ。
自分の考えに賛成する人が集まり、どんどん勘違いしていくんだ。これは現実世界でも起こることだけど、SNSは「つながりやすい」ために、こうした現象で偏りやすいから注意が必要だ。
そうですね。注意が必要ですね。

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今年1月には、奈良県の政治家が「(別の政治家を)両脚を牛にくくりつけて股裂きの刑にしてやりたい」とフェイスブックに投稿して問題になった。ここには書きたくない、ひどい言葉がたくさん並んでいた。この政治家は「自分の投稿にファンがいて興奮して書き込んだ」と説明していた。
まさにエコーチェンバーで、偏った考えがエスカレートして書いていたんだ。同じ考えの人と交流するのは楽しいけれど、偏る自覚を持って、過激にならないように気をつけないといけないね。

【プロフィル】
モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。