あの世の正月で家族が墓前に 宮古島など各地で十六日祭


社会
この記事を書いた人 松永 勝利
先祖が眠る墓前にごちそうを並べ、手を合わせる人々=3日午前11時、宮古島市平良の袖山墓地公園

 【宮古島】グソー(後世=あの世)の正月に当たる「十六日(ジュウルクニツ)祭」が旧歴1月16日の3日、宮古島市や石垣市など県内各地で催された。家族がそれぞれ墓前に集まり、ごちそうを並べながら先祖を出迎えた。
 宮古島市平良の袖山墓地公園には午前中、時折雨がぱらつく中、大勢の家族が訪れた。子や孫ら5人で墓参りをした砂川恵美子さん(69)=市平良=は「子や孫がいっぱいいるので、ご先祖に『守ってください』と祈った。先祖に対する供養を忘れずに1年間頑張りたい」と話した。
 鹿児島県出身の別府人見さん(62)=市平良=は宮古島市出身の妻・美恵子さん(61)ら家族と共に、父が眠る墓の前で手を合わせた。
 別府さんは「郷里にはこういう習慣はないけれど、『郷には入れば郷に従え』だから墓を建てた。先祖の冥福を祈りたい」と笑顔で話した。【琉球新報電子版】