世界の起業家、一堂に OISTで育成取り組み発表


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議論を交わす世界各地の起業家や政策担当者ら=2日、恩納村の沖縄科学技術大学院大学

 沖縄科学技術大学院大学(OIST)が主催する「沖縄イノベーション&アントプレナーシップサミット2018」が2日、恩納村の同大学で開かれた。世界各地の起業家、ベンチャー投資家、研究者、行政関係者20人が一堂に会し、起業や大学発ベンチャーの事例報告のほか、地球規模のニーズに応える革新的な起業家の育成・誘致などについて発表した。

 南米チリのエネルギーベンチャー企業の最高経営責任者(CEO)を務めるホレイシオ・メロ氏は、自身が携わった「スタートアップ・チリ」について「辺境の土地柄のためローカルに考えがちな文化をグローバルな発想に変えようと、世界中の起業家をチリに集めて起業革命を起こそうとした」と紹介。「スタートアップには世界を変えるという熱意と奇抜な発想が欠かせない」と語った。

 過疎が進む山形県庄内地方に人を集める新しいまちづくりを実践するヤマガタデザイン社長の山中大介氏は、起業家精神の育成について「本来は手段でしかない起業が目的化していないか。どういう社会をつくるかに重きが置かれるべきだ」と指摘した。

 台北経済文化代表処科学技術担当ディレクターのルシェン・ホン氏は台湾のサイエンスパーク建設など科学技術政策を説明し、バイオ産業を中心にベンチャー企業の集積が進む状況を解説した。県産業振興公社専務の下地明和氏は「リゾート&ビジネスの地域としてベンチャーを育成していくことが、沖縄の産業振興の道になる」と述べた。