経済

天敵で野菜害虫制す ピーマン、ヘチマなどで効果 JAおきなわが農家支援

【天敵】コナジラミの天敵となるスワルスキーカブリダニ(県農業研究センター提供)

 沖縄県内の農業現場で害虫を駆除するために天敵を導入する動きが広まっている。これまでにピーマンやサヤインゲン、ヘチマ栽培では化学農薬の使用量が削減されたり、農家の手間が減ったりする成果が出ている。環境負荷を下げる効果も大きく、JAおきなわは「農産物の安全・安心が強く求められる中、今後とも取り組みを推進していく」と強調している。

 天敵を使った害虫防除は「生物農薬」といわれ、天敵が外部に逃げづらいハウスの中で栽培される品目を中心に導入が進む。農林水産省が微生物や線虫を含め約40種類を殺虫用途での利用を認めている。県内ではコナジラミやアザミウマ、チャノホコリダニなど幅広い害虫を捕食する天敵スワルスキーカブリダニの県内販売が業者から認められた2013年から本格的な導入が始まった。

 南城市でヘチマを栽培する金城和幸さんは今年から生物農薬を導入し、スワルスキーなど4種類の天敵を活用。天敵が害虫を駆除するため、化学農薬を散布する回数は月8回から2回に減った。


【害虫】コナジラミ(県農業研究センター提供)

 農薬に抵抗性があり、駆除が難しい害虫も天敵なら駆除できるため、農作物の被害軽減につながっている。土着の天敵も導入しており、金城さんは「事前準備や天敵を導入するタイミングが難しいが、効果を感じており今後も継続する」と話す。

 強い農薬を使わなくてよいことからハチに受粉作業をさせるため、従来は10アール当たり年間388時間かかっていた受粉作業時間に全く人手を必要としなくなり、生産性向上につながっている。

 県農業研究センターがヘチマ栽培で試験したところ、化学農薬代が減る一方、天敵の導入コストがかさみ2月末時点で10アール当たりの害虫駆除費用は化学農薬に比べ約3万円多い6万8千円かかる。一方、受粉作業の人件費が減らせるほか、抵抗性のある害虫も駆除されて収量が増えるため費用対効果は10アール当たり約22万円のプラスになる。

 6日にJAの営農指導員や県、生産農家ら約30人が天敵を利用しているほ場を視察し、効果を確認した。JAおきなわ南部地区営農振興センターの仲村康成・野菜果実指導課長は「沖縄での天敵導入を浸透させたい」と語った。