F15部品落下 米軍、通報手順守らず 国も県に連絡は2日後


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二

 【東京】小野寺五典防衛相は7日、米軍嘉手納基地所属F15戦闘機のアンテナ落下事故について、事故の通報手順で定められている米軍から防衛省への通報がなかったと明らかにした上で「戸惑っている」と述べた。省内で報道陣に答えた。一方、防衛省も事故から6日後の今月5日に落下を把握したが、地元嘉手納町などへの連絡は7日午前で、事故発生から8日後だった。

 翁長雄志知事は7日、県庁で会見し「はらわたが煮えくり返るようだ」と述べ、「たがが緩んでいると言わざるを得ない」と厳しく批判した。国からも事故の連絡がなかったとし「極めて遺憾」と述べた。

 翁長知事は米軍航空機の全機総点検の実施のほか、事故発生時の連絡通報体制について県も交えて早急に検証、改善するよう求めた。

 嘉手納町、沖縄市、北谷町でつくる「米軍嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会」(三連協)は7日、幹事会を開き、8日にも日米関係機関に抗議文を郵送することを確認した。

 沖縄防衛局は7日、報告遅れについて在沖米軍に遺憾の意を伝え、遅れた理由の説明や部品遺失の詳細な情報提供、原因究明、適切かつ実効性ある再発防止策の策定を求めた。

 米軍は報告遅れを認めた上で、無くなったアンテナは「海に落ちた可能性が高い」として人身などへの被害はなかったと日本側に伝えた。報告遅れの原因を特定するために部隊内で確認を進めているという。一方、防衛省は嘉手納町など地元自治体への通報遅れについて「事実関係を確認した上で情報提供した」としている。

 事故の通報手順は日米合意。部隊の司令官が米軍在日米軍司令部に情報伝達して日本側に通報すると同時に地元防衛局に通報する。その後、防衛局が関係自治体に連絡する。落下は2月27日に発生。米側は今月5日に外務省に通報。外務省は同日、防衛省へ連絡した。