キングス観戦に最適化 沖縄市の新アリーナ 那覇で説明会


この記事を書いた人 琉球新報社
1万人規模アリーナの観客席の多さを強調する木村達郎社長=那覇市くもじのパレット市民劇場

 沖縄市が2020年度に供用開始を予定している1万人規模アリーナのエンターテーメントや経済観光などの可能性と未来について語る「未来のキングスとアリーナについて説明する会」が7日、那覇市のパレット市民劇場で行われた。キングスの木村達郎社長が概要を説明した後、シンポジウムがあり、キングスのホームゲームなどを含め、来場者が楽しむことに特化した施設として、街の主要拠点になる可能性について意見を交わした。

 シンポジウムには桑江朝千夫沖縄市長、元浦和レッドダイヤモンズ社長の藤口光紀広島経済大学教授、スポーツスタジアム設計を専門とする1級建築士の岡村耕治氏(鹿島建設建築設計本部建築設計統括グループリーダー)、みずほ総合研究所社会・公共アドバイザリー部の公田明主席研究員が参加し意見を交わした。

アリーナの可能性を語る(左から)桑江朝千夫沖縄市長、藤口光紀教授、岡村耕治氏、公田明主席研究員

 初めに、木村社長が設計の概要を説明。中央のバスケットコートを囲むように多くの観客席が設置された図を示し、「来場者がコンテンツを見る施設に特化、最適化した内容」と述べた。その上で、多目的施設という汎用(はんよう)性を挙げた集客性の高い施設になると強調した。会では、女性用トイレの充実など、場を楽しむことを阻害しない内容も付け加えた。

 シンポジウムでは、藤口教授が浦和の本拠地である埼玉スタジアムの建設について話し「施設の質が上がれば来場者の質も上がる」ことを強調した。岡村氏は「街づくりに寄与するため、常ににぎわう状態をつくる」ことを意識し、運営側の裁量でさまざまな客を呼び込める空間を確保する重要性を説いた。公田主席研究員は施設が「明確に興業中心(の内容)で、キングスという人気と力のあるチームがホームタウンとするのは非常に大きな効果を生み出す」と評価した。

 建設の主体となる沖縄市の桑江市長は、アリーナ構想がバスケ界で高く評価されたことや、誘致に成功した2023年のバスケW杯1次予選の成功へ向けた意気込みを語り、「市民が大きな勇気と誇りを持てるレガシーになる」とし、アリーナの可能性を熱く語った。