食品再利用 国が認定 コープおきなわ、あらぐさ 廃棄物を肥料化


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沖縄総合事務局農林水産部の遠藤順也部長(前列左から2人目)から再生利用事業計画認定書を交付されたコープおきなわの山本靖郎理事長(同3人目)、あらぐさの前田亘代表(同4人目)ら=8日、那覇市の沖縄総合事務局

 生活協同組合コープおきなわ(浦添市、山本靖郎理事長)と農業生産法人あらぐさ(八重瀬町、前田亘代表)が取り組む食品廃棄物の肥料化リサイクルが、沖縄県内第1号で国の再生利用事業計画に認定された。生協のスーパーから出る年間200トンの食品廃棄物をあらぐさが回収し、これを原材料に有機肥料を製造して農家に供給する。農家が生産した野菜をコープおきなわで販売するという資源再生の循環を確立している。

 8日に那覇市の沖縄総合事務局で再生利用事業計画認定書の伝達式があり、同事務局農林水産部の遠藤順也部長は「取り組みが沖縄経済の食品リサイクルのモデルとして広がるよう行政でもPRしていきたい」と認定書を手渡した。

 コープおきなわの山本理事長は「これまでの活動が認定されてうれしい」と喜んだ。山本理事長は再生可能エネルギーを使った電力小売事業への参入準備を進めていることに触れ「エネルギーも含めてトータルでリサイクルの輪をつくっていきたい。食品廃棄物をメタン発酵させて発電に生かす仕組みも研究していく」と述べた。

 食品リサイクル法に基づく再生利用事業計画認定制度は、食品事業者と再生利用事業者、農業者などが連携して計画を作成し、農林水産相と環境相の認定を受ける。計画の認定を受けた再生利用事業者は一般廃棄物の収集運搬業の許可が不要になる特典がある。

 コープおきなわとあらぐさは2000年2月から食品廃棄物の再生利用の取り組みを始めた。有機認定の農家の集まりでもあるあらぐさは、コープおきなわから委託料を受け取って食品廃棄物を八重瀬町の施設まで収集し、高速発酵処理により乾燥肥料を年間18トン、液体肥料を同112トン製造している。

 あらぐさの池田光雄総務部長は「食品リサイクル法の制定以前からの取り組みだ。持続可能な仕組みとして永続的に続けていく」と語った。