防衛局サンゴ採捕申請、10群体不許可 県「対策不十分」


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二

 県は9日、沖縄防衛局が辺野古新基地建設のため申請していたサンゴ10群体の特別採捕申請を全て不許可とした。同日防衛局に伝えた。県が新基地建設問題でサンゴ採捕申請を不許可としたのは初めて。新基地建設阻止のため翁長県政が知事権限を行使した格好で、今後の国の対応が注目される。

 防衛局は埋め立て工事に伴い、工事海域のサンゴを移植・移築するとしており、県の許可がなければ移植・移築ができない。今回の不許可により、辺野古の埋め立て工事の進展に一定の影響を与えることが予想される。ただ、防衛局が再申請した場合、県は「その時々で厳正に審査する」(県幹部)としており、再申請についても県が不許可とするかは不透明だ。
 県が不許可としたのは環境省のレッドリストに掲載されている絶滅危惧2類のオキナワハマサンゴ8群体、準絶滅危惧のヒメサンゴ2群体の計10群体。防衛局が1月24日、3月2日にそれぞれ採捕を申請した。
 不許可理由について県はハマサンゴについて食害対策が不十分と指摘した。ヒメサンゴについては、移植先にヒメサンゴを死滅させる海藻「サンゴモ」が茂っている点を問題視し、移植先として不適切だと判断し、国に再検討を求めた。
 県は2月に今回不許可としたのとは別のオキナワハマサンゴ1群体の採捕を許可したが、その後、サンゴに食害が確認されたことから今回の審査では食害対策を重視した。県は防衛局が再申請を行う場合は環境監視等委員会の指導・助言を踏まえるよう求めている。