全学徒隊の碑 建立1年 平和継承誓う


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全学徒隊の碑に献花する呼び掛け人代表の元学徒ら=14日、糸満市摩文仁の平和祈念公園

 沖縄戦で県内21の師範学校や中等学校の生徒が戦場に動員され、多くが犠牲になった事実を次世代に伝える「全学徒隊の碑」の建立から1年を迎え、元学徒らが14日、碑のある糸満市摩文仁の平和祈念公園で記念集会を開いた。

 元学徒や関係者ら約150人が出席し、命ある限り若い世代に平和の尊さを伝え続けていくことを誓い合った。

 集会では、旧県立一中(現首里高)4年当時、16歳で動員された與座章健さん(89)が平和宣言を読み上げた。與座さんは「悲しい悔恨から立ち上がり、二度と過ちは犯さないとの誓いを立て、平和の確立を目指して奮闘努力してきた」と戦後の歩みを振り返り「戦争は必ず防ぐことができる」と呼び掛け、若い世代と平和を推し進めていくことを誓った。

 当時の学徒と同世代の県立首里高校と沖縄尚学高校の生徒も出席し「戦争を風化させない」と継承への思いを述べた。

 集会では「元全学徒の会」の結成も提案され、賛同が得られた。4月にも同会の結成を目指す。

 沖縄戦では男子学徒は14歳から、女子学徒は15歳から戦場に動員された。同級生を亡くした元学徒の要請を受け、県が昨年、「全学徒隊の碑」を建立した。