本マグロの養殖区域増 沖縄県が新漁場計画を策定 カキは金武、塩屋湾など


この記事を書いた人 大森 茂夫

 沖縄県農林水産部は8月31日で期間満了となる海面養殖業にかかる特定区画と定置漁業権に関し、新たな漁場計画(案)を策定した。モズクやシャコ貝など沖縄特有の養殖品目の需要の伸びを背景に免許件数が安定して推移するほか、本マグロ(クロマグロ)の漁獲規制で養殖需要が伸びることを見据えて本マグロ養殖用の区域が増える見通しだ。県内で研究が盛んになっているカキの養殖実用化に向けた試験を行うニーズがあることから、金武湾と塩屋湾などで設定される。

 海面養殖業のニーズの高まりを受け、特定区画漁業権の予定件数は前回見直しがあった2013年当初に比べて32件多い369件となった。

 県は13日、漁業関係者や学識経験者でつくる沖縄海区漁業調整委員会に計画案や免許期間を諮問した。

 漁場計画では養殖用に使える漁場の区域と養殖対象の品目や養殖方法、漁期などを定めている。

 特定区画漁業権ではサンゴ養殖関連が13年比で20件増の64件となった。民間でサンゴを養殖する動きが活発になっているほか、漁場の環境保全の観点から漁業者の意識が高まっていることが背景にあるという。

 水深15メートルより深い所で営まれる定置漁業権は9件。免許期間途中の区画漁業権も2件を追加する見通し。

 計画案は3月23日まで各市町村役場や漁協、県水産課ホームページなどで閲覧できる。計画を踏まえた漁業権の免許申請期間は6月20日から7月19日までの予定で、新しい免許予定日は9月1日から5年間。