海の保護と開発 課題 IUCN専門家、翁長沖縄県知事に指摘


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翁長雄志知事(右)に海洋保護の大切さを訴えるIUCNのフランソワ・シマール副部長=22日、県庁

 来沖中の国際自然保護連合(IUCN)世界海洋極地プログラムのフランソワ・シマール副部長が22日、沖縄県庁で翁長雄志知事と面談した。海洋政策に精通するシマール副部長は米軍普天間飛行場の移設に伴う新基地建設が進んでいる辺野古・大浦湾の貴重性について多方面から情報を入手していることを明かした上で「どのように開発しながら海を守っていけばいいのか大事な課題だ」と指摘した。シマール氏は24日開催の辺野古・大浦湾の貴重な自然環境について考察する県主催のシンポジウムに出席するために来沖した。

 翁長知事は離島や県中南部の観光業が発展を遂げる中で、今後は世界自然遺産登録を控える北部地域の飛躍が期待されると説明した。豊かな自然環境の維持が沖縄経済の根幹だと強調し「環境を守りながら経済発展できるような形を目指したい」と同調した。

 シマール氏は23日に大浦湾を海上から視察する予定だが「生物学者として現状を確認するためだ」と強調し、政治的意図を否定した。

 シンポジウムは24日午後1時から浦添市の国立劇場おきなわで開催される。シマール氏や世界遺産学に詳しい筑波大学大学院の吉田正人教授が「世界の海から辺野古・大浦湾を考える」と題した第1部で講演する。