米大統領補佐官にボルトン氏 在沖米軍在り方 影響か タカ派、台湾移転主張も


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 【ワシントン=座波幸代本紙特派員】トランプ米大統領が、新たな大統領補佐官(国家安全保障問題担当)に選んだジョン・ボルトン元国連大使は、在沖米軍の台湾への一部移転を提案したこともあり、安全保障政策の司令塔に同氏が就くことで在沖米軍基地の在り方も変化があるか注目される。同氏ら共和党タカ派の対外強硬路線が東アジアの緊張を一層高めるという指摘もある。

 台湾移転は2017年1月17日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルへの寄稿で提案。海洋進出を強める中国をけん制し、「日米関係を悩ます沖縄から一部の軍を再配置すれば、日米政府の緊張緩和に役立つかもしれない」と指摘した。

 ボルトン氏は寄稿で「米国は台湾への軍事装備販売を増やし、再び米軍を駐留させることで東アジアの軍事力を強化できる」と説明した。「台湾は地政学的に東アジアの国に近く、沖縄やグアムよりも南シナ海に近い。この地域への迅速な米軍配備をより柔軟にする」とし「海洋の自由を守り、一方的な領土併合を防ぐことは米国の核心的利益だ」と強調している。

 同氏の18年2月28日付の寄稿では、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対し「米国が先制攻撃で対応するのは正当」と主張。中国と台湾は不可分とする「一つの中国」政策を見直すよう提言したこともあった。マシュー・ワックスマン米コロンビア大教授は安全保障の専門サイト「ローフェア」で、ボルトン氏を「官僚を動かすことにたけ、交渉に強く、政策通だ」と評している。