新崎盛暉氏が死去 沖縄現代史研究、市民運動をけん引


この記事を書いた人 大森 茂夫
新崎盛暉氏

 沖縄現代史や沖縄民衆運動に関する研究を進めながら、市民運動をけん引してきた沖縄大学元学長で同大名誉教授の新崎盛暉(あらさき・もりてる)さんが31日午後5時38分、肺炎のため、南風原町の病院で死去した。82歳。東京都出身。告別式は5日午後、那覇市首里の万松院で行われる。喪主は妻恵子(けいこ)さん。

 1961年に東京大学文学部を卒業し、評論家の中野好夫氏が主宰する沖縄資料センター主任研究員として、沖縄関係資料の収集に当たり、研究・評論活動を始めた。74年に沖縄大学に赴任し、83~89年と2001年から04年まで計3期9年学長を務めた。03年から約8年間沖縄大学の理事長を務めた。沖縄戦後史研究から日本社会の沖縄への対応を鋭く論評し続け、市民運動の理論的支柱となった。2017年に新崎盛暉平和活動奨励基金を創設した。

 著書に「沖縄戦後史」「沖縄・反戦地主」「沖縄同時代史(全10巻)」などがある。近著に「私の沖縄現代史-米軍支配時代を日本で生きて」がある。【琉球新報電子版】