瀬長島来島288万人 17年度、観光拠点整備が要因 渋滞対策、課題に


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 【豊見城】沖縄県豊見城市の調査によると、瀬長島の2017年度の来島者が約288万人となり、那覇市の首里城公園地区に匹敵するほどになっている。市は、道路や駐車場などの整備と、商業施設やホテルの開業が観光客らを呼び込む要因となったと分析する。一方、瀬長島に向かう国道331号瀬長交差点では、約10年前と比べて交通量が1・5倍に増加しており、渋滞対策の必要性も浮き彫りとなっている。

 市は瀬長島を主要観光拠点と位置付けており、12年度から17年度にかけて瀬長島観光拠点整備事業を実施し、展望台や駐車場などの整備を進めた。調査は、同事業の達成度を調べる目的で12年、15年、17年にそれぞれ実施された。

 調査は年間交通量と1台当たりの平均乗車人数を基に算出した。調査によると、12年度の年間来島者数は約100万人、15年度は152万人、17年度が約288万人だった。来島者数は12年度の目標160万人の約1・8倍となっている。

 また、島を訪れる車では、レンタカーの増加が著しく、瀬長島サンセット広場前では12年度に比べて平日で約6・4倍、休日で約7・3倍に増えていた。

 16年度県観光要覧によると、首里城公園の年間利用者数は約271万人。年度や調査方法に違いはあるものの、瀬長島が首里城の利用者数と同水準となっていることがうかがえる。

 市の担当者は「観光拠点整備事業が成功し、豊崎地区の発展や豊見城糸満バイパスの整備も影響しているのでは」と分析する。

 来島者に実施したアンケート調査によると、約8割の来島者が瀬長島の印象を「良い」と回答した。「不満」の回答理由については「帰り道が混む」と「夕方の渋滞」などが挙げられた。

 渋滞対策について市は、4月から瀬長島入り口の車線を増やしており、国や関係機関と連携しながら交通整備を進める考え。県が進める鉄軌道計画検討でも、南部地域を含めるよう要請を続けるとしている。