沖縄市長選 立候補予定2氏政策比較〈上〉 経済振興 アリーナ建設で相違


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 22日投開票の沖縄市長選には、現職の桑江朝千夫氏(62)=自民、公明、維新推薦=と前市議で新人の諸見里宏美氏(56)=社民、共産、社大、自由、民進推薦=が立候補を表明し、一騎打ちとなる見通しだ。両氏の主張の争点や独自の政策を、琉球新報が実施したアンケートや取材を基に浮き彫りにする。

東部海浜、活用策に独自色

 計画が進む1万人規模の多目的アリーナ建設については見解の違いが鮮明だ。

 目玉公約に掲げる桑江氏は、FIBAバスケットボールワールドカップ1次予選の開催会場に決まったことを「市民の大きな夢、自信につながる」と強調し、早期の建設実現を目指す。琉球ゴールデンキングスの試合やコンサートを開催し、観客の流入による中心市街地活性化を思い描く。

 諸見里氏は建設費や維持費などの財源をいかに捻出するか、市民の負担がどれだけあるかなどについて「説明が不十分だ」と指摘する。大手ゼネコンと地元3社で構成するJV(共同企業体)についても「本土企業が主導で地元優先に逆行している」と批判し、事業の再検証を訴える。

 東部海浜開発事業については、埋め立て後の産業振興の手法に違いがある。

 桑江氏は「県内最大の900メートルビーチを生かした街づくりを進め、沖縄随一の観光拠点を創出する」と意気込む。

 これに対し諸見里氏は「埋め立て後に現状にそぐわない事業は見直す」とした上で、「水産業や観光の活性化を図る」としている。

 それぞれ独自の経済振興策も掲げる。

 桑江氏は「日本一の動物園」を目指し沖縄こどもの国を整備拡充するほか、騒音などに配慮したモータースポーツ政策の推進など前回選挙からの公約をさらに推し進める。市の均衡ある発展を念頭に「北部地域の振興の優先順位を上げる」とし、市農民研修センター周辺のまちづくり推進や沖縄北インターチェンジの渋滞解消などを図る。

 諸見里氏は「沖縄市の最大の魅力は文化だ」として、市の独特な街並みを活用して映画やドラマの撮影を誘致する映画村構想や、工芸産業の生産・観光拠点となる「市工芸の郷(さと)」の早期実現などを掲げる。農畜産業を推進するアグリビジネス構想のほか、大型クルーズ船の受け入れや観光客が長期滞在する商業施設の誘致も訴える。