地域奨学金で夢応援 與那原さん、第1号 涙拭い「頑張る」


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 【宮古島】NPOいけま福祉支援センター(前泊博美理事長)は3月30日、池間島の若者を支援するために創設した「池間すでぃがふう奨学金」の贈呈式を沖縄県宮古島市の池間島離島振興総合センターで開いた。奨学生第1号として今年春から那覇市内の専門学校に通う與那原愛理さん(18)に奨学金30万円が贈られ、與那原さんは会場に集まったおばあたちが温かく見守る中、涙ながらに感謝し、「夢をかなえます」と誓った。

「池間すでぃがふう奨学金」を受け取る與那原愛理さん(前列右から3人目)と祖母のサヨさん(同2人目)=3月30日、池間島離島振興総合センター

 奨学金は、同センターが池間島の歴史や文化を伝えるための事業の一環として、2014年から発行を続けているカレンダーの売り上げを財源に、返済義務のない給付型となっている。

 カレンダー発行から5年目となり、島を元気にするための原資として活用しようと奨学金創設を決めた。島の子どもたちが対象で、3人の応募の中から與那原さんが選ばれた。前泊理事長は選考理由を「夢を諦めずに挑戦しようとする姿勢を高く評価した」と述べた。

 與那原さんは1歳のころに母親を亡くし、天ぷら屋を営む祖父母に育てられてきたという。

 式には祖母のサヨさん(83)も駆け付け激励した。與那原さんから「おばあには感謝してるよ。2年間離れるのは寂しいけど、帰ってくるまで頑張ってね」と声を掛けられたサヨさんは「私の孫がこんなに素晴らしい奨学金を受けられて、夢みたい」と語り、涙を拭った。

 與那原さんは動物保護関係の仕事に就くことを目指し、訓練士の資格取得のために専門学校に通う。「たくさんのことを身に付けて、自分の描いている将来像に少しでも近づけるように頑張りたい」と決意を見せた。