辺野古護岸きょうにもN3着工 土砂投入へ工事本格化 市民団体「知事の承認必要」


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 沖縄防衛局は9日朝にも、名護市辺野古の新基地建設予定地で新たな護岸「N3」(135メートル)建設に着手する。隣接するN5護岸・K4護岸とつながると初めて埋め立て可能な区域ができる。政府は7月にも土砂を投入し、埋め立て工事を本格化させたい考えだ。市民団体からは、当初の計画に変更がみられるとし「知事の承認が必要だ」との指摘もある。

 N3護岸の着工は9日朝に判断される。天候など支障がない場合、台船も海域に入る。N3護岸の工事は2カ月前後で終わり、その後に現在着工中のK4護岸が完成する見通しだ。

 政府が7月に計画する埋め立て工事を巡っては、政府が5工区に分けて業者と交わした契約書と特記仕様書が明らかになり、合計契約額が約283億円に上ることが分かっている。

 沖縄平和市民連絡会の北上田毅氏は工事が当初の計画から変更されていると分析する。「当初は大浦湾側の海域から埋め立てを想定していたにもかかわらず、辺野古海域側から埋め立てを始めようとしている」と言う。

 また、当初は本部町・国頭村産の岩ずりは海上から運ぶことを想定しているが、現状では陸上で運搬せざるを得ないとも指摘する。「計画の変更には、県知事から変更の承認を得なければならない」とし「土砂投入の契約は済んでも、埋め立て工事をすぐには始められないはずだ」と訴えた。

 北上田氏は、県が埋め立てを承認した際に付けた「工事の実施設計について事前に県と協議すること」との留意事項に触れ「埋め立て工事についても事前協議が必要だ」とも述べた。