米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に伴う新基地が完成した場合、国立沖縄工業高等専門学校(沖縄高専)の校舎の高さが、安全のために米軍が定める高さ制限を超えていることが9日、分かった。沖縄防衛局は、琉球新報の取材に「米側との調整で航空機の航行の安全を害しないとして、沖縄高専はこの制限の対象とならない」と、基準に適合しないことを認めた上で、沖縄高専を例外とする方針を示した。
米軍の基準は、滑走路からの高さ45・72メートルの上空で、滑走路の中心から半径2286メートルの空域を「水平表面」と定めている。その空域においては、高さ45・72メートルを超えた建物などがあってはならないことになっている。
規制を定めた米軍の基準「UFC3-260-01」について、政府は辺野古新基地の設計概要説明書でも度々引用し、この米軍基準に基づいて飛行場の各種数値を設定したと述べてきた。
辺野古新基地の設計概要説明書では埋め立て後の滑走路の標高は約10メートルとされることから、米軍基準に照らすと標高約55メートルが建物の高さ制限となる。
沖縄高専の校舎の標高は、創造・実践棟が約70メートル、体育館が約67メートル、教育・実験棟とメディア棟が約64メートルだ。約550人が暮らす約59メートルの学生寮も水平表面を超えている。