キングス西地区優勝 日本一へ前進 Bリーグ第53戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区1位、39勝13敗)は15日、新潟県のシティホールプラザアオーレ長岡で新潟アルビレックスBB(中地区4位、23勝29敗)と対戦し、85―68で勝利を収め、西地区優勝を決めた。キングスの地区優勝はbjリーグ時代の2015―16シーズン以来、Bリーグとしては初めての地区王者となった。キングスは既に出場を決めている上位8チームによる5月11日からのチャンピオンシップ(CS)に地区1位として臨む。キングスは12、13日、沖縄市体育館でのホーム開催も確定した。この日の新潟戦は前半、シュートがリングにはじかれ、先行を許した。次第に堅守で新潟の得点を防ぐと、インサイドでハッサン・マーティンやヒルトン・アームストロングらが得点を決め逆転。ゴール下での強さが光った。後半は一時、新潟に追い付かれるも、二ノ宮康平、田代直希、アイラ・ブラウンの3点弾が決まり、新潟を振り切った。

キングス 40勝13敗
85―68(13―16,17―9,26―16,29―27)
新潟 23勝30敗

◆選手を褒めたい

 佐々宜央HC(キングス)の話 CSをホーム開催したいという思いがあり、僕以上に選手はプレッシャーがある中、達成した選手を褒めたい。きょうみたいな我慢強くする試合をファンの皆さんに届けたいという思いがこの1年間あった。CSホーム開催をファンの皆さんに届けることができて本当に良かった。CSに向け選手のコンディションも考えながらだが、自分自身も経験はないので残りのリーグ戦をしつこく戦って、成長していきたい。

◆ゴール下 攻守で支配

 持ち前の堅守で攻撃力のある新潟を抑えたキングスが勝利を呼び込み、Bリーグ初の地区優勝を自力でつかみ取った。試合後、選手たちは安堵(あんど)の笑顔を浮かべた。岸本隆一主将は「(今季は)強い強いと言われてきたが、まだ何か成し遂げられていなかったので、自分たちの積み重ねたものが形になってうれしい」と声を弾ませた。

 前日と同様にシュートがリングにはじかれるも前半から堅守が光った。特にゴール下は強く、新潟のラモント・ハミルトンとダバンテ・ガードナーへ、ハッサン・マーティンやアイラ・ブラウンが激しく体を当て続けた。奪ったリバウンドは相手の28本を大きく上回る46本だった。前日22得点された五十嵐圭も岸本らが徹底的にマークし、外からのシュートを防いだ。

 攻撃では、岸本からのパスにヒルトン・アームストロングがアリウープを決めたり、ブラウンが個人通算100回目の豪快なダンクを決めたりした。ペイントエリアだけでなく、二ノ宮康平、田代直希、ブラウンの3点弾も決まった。

 CSは昨季も進出するも連敗し、準々決勝で涙をのんだ。栃木の優勝に貢献し、最優秀選手(MVP)にも選ばれた古川孝敏は「14日みたいな試合をしたら終わり。コートの5人だけでなく、ベンチを含めた12人が試合に挑んでいくのが重要」と気を引き締める。昨年の悔しさを知る岸本は「昨季の悔しさを思い出して勝利につなげたい。そのために残りのリーグ戦1試合も無駄にせず、いい状態で臨みたい」と先にある頂点を見据えた。

◆マーティン爆発27点/最多、11リバウンドも

 新潟戦でゴール下の強さを見せたキングス。今季、ゴール下で存在感を出すルーキーのハッサン・マーティンが大一番のこの日も、チーム最多の27得点11リバウンドと活躍した。

 前日は新潟のビッグマンからのプレッシャーがありながら15得点を決めるも、守備で外国籍のツインタワーにやられてしまった。「守備のマインドを変えた」とより厳しい守備に取り組んだ。特に得点源であるダバンテ・ガードナーのフックシュートを意識し、体を当てた。攻撃では激しいマークに遭いながらも要所でしっかりとゴールを決め、ほえる場面もあった。

 闘志を前面に出したマーティンは「ルーキーイヤーで結果を出せたのはうれしいが、チームメートがあってこそだ」と仲間への敬意を表し、さらなる活躍を誓った。

 CSとは
 Bリーグの3地区(東地区、中地区、西地区)のそれぞれ上位2チームと、各地区2位以上を除き、勝率上位2チーム(ワイルドカード)の計8チームで行うトーナメント戦。クオーターファイナル(QF)は5月11日から14日、セミファイナル(SF)は18日から21日の期間で、リーグ戦上位順位クラブのホームで行われる。
 QFとSFは2戦先勝方式が採用され、1勝1敗の場合は第2戦終了後に5分前後半の「3試合目」を実施する。また、一発勝負の決勝は26日に横浜アリーナで実施される。
 キングス以外に中地区の三河が優勝を決めており、この2チームはQFでホーム開催することが決まっている。ほかには千葉、A東京、川崎、京都がCS出場を決めている。ワイルドカードの残り1枠を栃木、SR渋谷、北海道などが争っている。