【中国時報】大学教員、次々と流出 人材確保へ昇給補助 台湾


社会
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 台湾の高等教育における教師陣の人材流出が止まらない。交通大学の前教務長は昨年、退職の手続きを行い、脳信号測定の研究チーム7、8人全員を連れてオーストラリアの大学へ渡った。台湾にとってまさに危機的な状況だ。

 交通大学副校長は去年はさらに1人が他大学へ流れ大きな痛手となったと話した。彼は前生物科技学院院長で、アジア大学の校長を勤めた後に戻る予定だったが、台湾の給料や退職金が安いことを理由に復職せず香港の大学に転任したという。副校長は高等教育の職場環境を改善しなければ、今後もさらなる人材流出が起こると警鐘を鳴らした。

 これまでほとんど教授陣の流出がなかった清華大学でも、最近一気に3人が引き抜かれた。同大校長は3人の年齢を考えると、普通なら「安土重遷」(故郷から離れようとしないこと)となるが、好条件を提示され、みな根こそぎ引っこ抜かれて台湾ではなく香港を選択したのだろうと話す。

 こうした問題を台湾の教育部(日本の文科省)は深刻に受け止めている。教授には1人につき給料を3万元(約11万円)増額すると提示。その半分を教育部が負担するという。