モズク3倍(10年比)キノコ2倍超(07年比) 林業10年連続増 16年産出額


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 2016年の農業・林業・漁業の産出額が出そろい、沖縄県農林水産部(島尻勝広部長)は17日、県内農林漁業産出額をまとめた。21年ぶりに1千億円を突破した農業を筆頭に、漁業産出額は6年連続で増加して195億円となり、2010年比でマグロ類が1・56倍、モズク類が3・07倍、イカ類が1・78倍に増加した。林業は10年連続増加の15億円で、キノコなど「特用林産物」が2007年比で2・53倍になった。

 増額の理由について県農水部の島尻部長は「一括交付金を活用し、必要な部分を整備した。中長期的な課題も抽出できた」と成果を強調した。今後は基盤整備を進め、園芸品目やキノコ、水産の養殖分野で安定的に産出額を増加させる意欲も示した。

 漁業産出額の195億円は、最近10年の最高額。県は好調な要因として(1)「沖縄美ら海まぐろ」などマグロのブランド化事業で付加価値を高められた(2)交付金を投入してモズクの生産技術や品種開発など安定生産に取り組んだ―ことなどを挙げた。

 林業産出額は木材生産が減少する半面、キノコなど「特用林産物」が9億2500万円に増加した。一括交付金で県や町村がキノコの大型生産工場を整備した成果だという。

 農業産出額は1025億円(前年比90億円増加)で、サトウキビや肉用牛が好調だった離島市町村が同83・1億円(20・7%)増加して沖縄農業の成長をけん引した。