キングス17点差、強豪アルバルク下す Bリーグ第56戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区1位、41勝14敗)は28日、沖縄市体育館で強豪のアルバルク東京(東地区2位、40勝15敗)と今季第56戦を行い、77―60で快勝した。

 リーグ開幕戦以来の試合は、キングスが前半、素早い守備で東京のタフシュートを誘い、リバウンドからテンポ良く攻撃へつなげた。冷静なパス回しと外角弾で主導権を握り、前半は50―36とリードした。

 後半に入り、東京が守備で修正してくると、互角の戦い。そのなかでもキングスは攻守で崩れることなく戦い抜き、前半の点差を保って東京を振り切った。

 次戦は、29日午後1時5分からアルバルク東京とホーム2戦目を行う。

キングス 42勝14敗
 77―60(24―19,26―17,15―15,12―9)
アルバルク東京 40勝16敗

 【評】第1Qからヘルプの速いキングスの守備が東京のシュート決定率を下げた。キングスは攻撃への切り替えが速く、前半だけで50点を奪い、東京に14点差をつける。後半は東京が守備を立て直してきたが、キングスは攻守で崩れることなく振り切った。

◆ホーム生かし対応
 佐々宜央HC(キングス)の話 身体能力も、個々の運動量も一段高い東京を相手に対し、ホームのアドバンテージを生かし対応できた。個々の選手の努力もあり、高いシュート決定率で主導権を取れたことが大きい。地力では東京が上なので、29日は一瞬の隙も見せず、相手のリズムがくぼんだ時に自分らで流れをつかみにいく。

◆ゴール下でミス
 ルカ・パヴィチェヴィッチHC(東京)の話 能力の高い岸本隆一の3点弾は仕方のない部分はあるが、ほかの3点シュートにワイドオープンになってしまったことが反省点だ。攻撃ではゴール下でイージーミスが生まれ、点が取れなかった。アウェーでは万全のプレーでないと勝てない。29日は今日以上の戦いをする。

◆難敵、堅守貫き初勝利

キングス-A東京 第4Q、レイアップシュートを決めるキングスの岸本隆一=28日、沖縄市体育館(具志堅千恵子撮影)

 Bリーグ元年となった昨季の開幕試合を含め、bjリーグ時代から全試合、アルバルク東京に負け続けたキングス。ホーム戦に駆けつけたファンの声援を力に変え、今季初対決で難敵を撃破、対東京の初勝利をつかんだ。守備に定評ある両チームだが、キングスは攻守で大きく乱れることなく粘り勝ち。佐々宜央HCも「40分間守備をやりきった。全選手をたたえたい」と、次戦への緊張感も残しつつ、笑顔を見せた。

 佐々HCが「地力は上」と認める東京に対し、キングスは序盤からプラン通りの守備で相手の決定率を抑えた。一方で、相手守備のプレスの遅れを見逃さず、岸本隆一や田代直希、古川孝敏が3点弾で第1Qから点差を広げた。第2Qも1対1から連携の速いヘルプ守備とリバウンド力で、シュート本数で東京に上回られても着実に得点を引き離していった。

 修正してきた東京に対し、後半は攻撃リズムがやや落ちたが、接戦になってもキングスは攻め急がない。点差を詰めたい東京に対し、アイラ・ブラウンの連続ブロックショットや岸本のスチールなどでしっかり、踏みとどまった。

 岸本は「(昨年のBリーグ開幕戦の敗北から)状況を理解してゲームを進める自分のバスケ力の成長を感じた試合だった」と納得の表情。3点弾を中心に20得点し、29日はより警戒されることが予想されるが「そこをうまく利用していきたい」とホーム2連勝へ気を引き締め直した。(嘉陽拓也)