レジャー釣り、漁獲高の13% 沖縄県水産センターが初調査 資源保護ルール順守、課題に


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 沖縄県水産海洋技術センターは5日までに、県内周辺海域での遊漁者(レジャーなどで釣りなどを行う一般の人)の水産資源の利用実態調査結果をまとめた。遊漁者が沖合や陸釣りなどで魚を捕った量(採捕量)は年間で1330トン(推定)となり、県全体の漁業者による年間平均漁獲量1万176トンに占める割合は13・1%となった。同センターは「海洋資源保護のルールを、みんなで一緒に守ることが重要になる」と呼び掛けている。

 同センターが県内全域を対象とした遊漁者の水産資源利用調査を実施するのは初めて。

 水産資源の生息地区別で釣った量を比較すると、水深が約100メートル未満の「沿岸」は遊漁者が805トンで漁業者が1843トン、沖合の深場にあたる「沖合底層」は遊漁者14トンで漁業者が218トン、沖合の海面近くとなる「沖合表層」は遊漁者が511トン、漁業者が8115トンとなった。

 漁業量に対する採捕量の割合は、多くの人が訪れる沿岸が43・7%と高くなった。漁業者による漁獲量が多い沖合底層と沖合表層はともに6・3%にとどまった。

 遊漁者の採捕量をタイプ別で見ると、遊漁船業者の案内による釣りが735トン、プレジャーボートによる釣りが411トン、海岸や堤防などからの陸釣りが184トンとなった。

 魚の種類別で見ると、カンパチ類は推定採捕量が漁業による平均漁獲量の約3倍、タカサゴ類は約1・5倍になるなど高い数値を示した。

 県水産海洋技術センターの秋田雄一研究員は「海洋資源はみんなで保護する必要がある。釣った魚でも食べきれない量は持ち帰らないことや、産卵に参加していないような小さい魚は逃がすなど、ルールを徹底することが求められる」と強調した。

 調査は宮古や八重山で実施した遊漁者の調査などを基に県全体の状況を推計した。

 漁業者の年間平均漁獲量は2008年~11年の平均値を示している。