具志堅(女子6年)土屋(男子6年)形頂点 空手・沖縄県少年少女選手権


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6年生女子形決勝 力強くパッサイダイを披露する具志堅あい=5日、県立武道館(上原修撮影)

 空手道の第14回沖縄県少年少女選手権大会が5日、那覇市の県立武道館で行われた。6年生形女子は具志堅あい(大宮小)が頂点に立ち、同男子は土屋完道(城西小)が栄冠を手にした。同組手女子は小嶺有紗(名護小)、男子は座安礼揮(嘉手納小)が優勝した。形と組手の各学年優勝と準優勝者は第18回全日本選手権(8月4~5日、東京武道館)、1~4位(敢闘賞)は第5回全九州選手権(6月23~24日、熊本市総合体育館)への出場権を獲得した。

◆「もう負けない」努力実る/具志堅 宿敵下す

 135センチの身長が出場32人中最も低いと知り「びっくりした」という具志堅あい(大宮小)が、宿敵の仲間心乃(美原小)を初めて下して県選手権の頂点に立った。約13センチ差の仲間との決勝は、指定形から同じパッサイダイを選択。体格差を感じさせないキレとスピード、緩急で3―2と競り勝った。

 昨年の決勝での惜敗から1年。「自信はあった。勝つことだけを意識せず、練習通りの形ができて良かった」。技を大きく見せるために人一倍続けた努力を、大きく実らせた。

 小2の2学期に、名護市内の自宅階段から見えた劉衛流利根龍鳳館の「ぴしぴしとかっこよかった」形の演武にあこがれ入門。すでに2年から県内王者だった仲間に昨年の県選手権決勝では2―3と涙をのんだ。しかし接戦で仲間に迫って自信を深めた具志堅は、「もう負けない」と基礎練習からやり直し、技を体から離さず、大きく見せることに努めた。2学年上の県内王者・田場琳奈(仲西中2年)や全日本選手権の動画なども参考にした。

 準決勝までの4試合をすべて5―0で勝ち上がった。決勝では今まで常に感じていた「(仲間に)勝てないかもしれない」という弱気が消え、同じ形(パッサイダイ)で堂々勝負した。昨年は2回戦敗退の九州、全国での8強入りを目指し、中学での競技継続の糧とする。(石井恭子)

◆土屋 細部まで磨き抜く

6年生男子形決勝 クルルンファを演武する土屋完道

 土屋完道(城西小)が決勝で挑んだのは、今大会頂点をほぼ毎年独占する辺土名紗吾(越来小)だ。選んだ指定形は互いにクルルンファ。一度も勝てなかったこれまでを振り払い「優勝して喜んでいる自分を想像しながら」キレとスピードに加え、目線などの細部にこだわった成果を発揮。3―2の接戦をものにした。

 決勝に上がる前の最大の難敵と踏んだコリンズジョーダン琉太(美原小)が準々決勝で敗れる波乱に「びっくり」。コリンズを下した真榮城寿都(泊小)との準決勝では、キレとスピードでびしっと決めてくる相手のパッサイダイに対し、クルルンファの粘りの手の返しで5―0。初戦から4戦を完勝した。

 劉衛流清水那覇龍鳳館に通い、低くなりがちな目線を上げるため、いつも「目を怖くして」すごした。緩かった手の握りも硬くするなど細かい所作にこだわった。正直、自信はあまりなかったそうだが「6年生で最後の大会なので張り切ってできた」。九州と全国の4強入りを掲げ、さらに稽古に励む。(石井恭子)