新生コラソン熟成中 16日から社会人選手権


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社会人選手権に向け、練習で汗を流す琉球コラソンの選手ら=10日、浦添市民体育館

 日本ハンドボールリーグ(JHL)の琉球コラソンは16日から福井県で開催される社会人選手権大会に出場する。東長濱秀作監督や新選手の加入から約1カ月、基礎体力の強化と共に連携の練度を高める練習を続け、新生コラソンの形を作り始めている。同選手権は9月に開幕するリーグの前哨戦だ。昨季のリーグは8位に終わっただけに、東長濱監督は「勝ちに行く中でJHLに向けてチームのルールをしっかり構築しつつ、結果にこだわりたい」と意気込む。

 10日は浦添市民体育館で練習した。接戦を勝ち抜くためにフィジカルの強化を掲げる指揮官の下、腹筋や逆立ち歩きなどで始まり、パス回しやシュートの練習の後、攻守に分かれた戦術確認に移った。試合モードでボールにしつこく食らいつく選手ら。練習着はすぐに汗を吸って体に張り付くため、何度もシャツを着替える姿からも真剣さが伝わる。

 1週間に2、3度はボールを全く使わない、ウエイトトレーニングや走り込みなども行う。走る距離や速さなど、東長濱監督の求めるレベルにはまだ及ばないが、コート上で足を止めずに走り続ける意識が浸透しつつあるという。エースの石川出主将は「あたりが強くなっており、疲れてても無意識に走れようになってきた。昨年より確実に成長している」と、基礎能力アップがゲームの遂行力につながっていると語る。

 東長濱監督の初采配となった4月の東アジアクラブ選手権では1勝2敗で4チーム中3位となった。リーグでも戦う昨季の王者・大崎電気には18―32と力の差を見せつけられたが、ここで「チームが引き締まった」(東長濱監督)。大会後は、攻守が切り替わった瞬間に素早いパスからの速攻でゴールを狙う練習に力を入れ、攻めに転じる瞬発力アップ向上を目指す。ただメンタル面で「覇気や闘争心が足りない」ため、個々の選手に主力として戦う姿勢を求め、奮起を促している。

 社会人選手権大会は昨年は7位に終わった。今回の初戦は社会人リーグの強豪・HONDAが相手となる。石川主将は「相手をリスペクトしつつも、JHLでやっている以上、プライドを持っていきたい。上位4チームによる優勝争いに食い込み、コラソンは強いというインパクトを与えたい」と、言葉に力がこもった。(屋嘉部長将)