平和希求 短歌に込めて 糸満で宮森630会 メッセージ公募向け講話


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宮森小米軍ジェット機墜落の惨状について語る久高政治会長(左)と紅短歌会の玉城洋子代表=4月28日、糸満市立中央図書館

 【糸満・うるま】6月から平和メッセージを募集するNPO法人石川・宮森630会の久高政治会長は4月28日、沖縄県糸満市立中央図書館で開かれた短歌サークル「紅短歌会」の例会で1959年の石川・宮森小米軍ジェット機墜落事故について講話した。久高会長は、事故後の校舎や病院で治療を受ける子どもたちの写真を交えて、事故の惨状を紹介。遺族の悲しみや後遺症に苦しむ被害者の現状などについて語り、「当時の状況を知り、平和への思いを短歌に込めてほしい」と平和メッセージへの応募を呼び掛けた。紅短歌会の会員10人余が参加し、熱心に耳を傾けた。

 59年6月30日に起こった石川・宮森小米軍ジェット機墜落事故は、2019年に60年を迎える。石川・宮森630会では、60周年事業として平和メッセージ作品を募集する。

 紅短歌会は会員約30人で、毎月第4土曜に例会を開いている。玉城洋子代表=糸満市=は、旧石川市出身で、石川中3年の時に事故が起こった。

 当時5年生だった久高会長は、事故から50年の節目に活動に参加。「自分の体験以外は分からなかったが、活動に参加して初めて事故がひどかったと知った」と強調。事故当時の話を聞きに行っても「思い出したくない」と拒絶するやけどを負った女性や、子どもを失い「6月になると眠れなくなる。亡くなった息子のところに早く行きたい」という癒えることのない遺族の悲しみなどを語り、平和の大切さを訴えた。

 平和メッセージ作品は6月1日から7月31日(当日消印有効)まで募集する。

 平和な世界を築くためのメッセージを詩、短歌、俳句、琉歌で表現する。

 問い合わせはNPO法人石川・宮森630会(電話)090(8293)8615。