5月25日に落成する沖縄県那覇市泉崎の琉球新報新本社ビル内のホールに、グランドピアノの世界的名器とされるスタインウェイ社のピアノが設置された。同ホールはクラシック専用ではないものの、音楽イベントにも対応できる劇場として親しまれることを目指し、世界中のピアニストから人気のあるスタインウェイのピアノを選んだ。
琉球新報ホールに設置されたグランドピアノは「D―274」。奥行きは274センチ、高音域は繊細で、低音・中音域は豊かな音色を奏でる。楽器全体がよく響き、荘厳とも言えるたたずまいも特徴だ。
2月上旬、東京都にあるスタインウェイジャパン社で、候補のピアノ3台から県内外で活躍するピアニストの宮里恵さん、スタインウェイ社の専門家ら3人が立ち会い選定した。4月23日、ピアノがホールに搬入された後、宮里さんがホールで2回試し弾きをした。
宮里さんは「小さい子からお年寄りまでいろいろな人が弾いて、スタインウェイのピアノの良さを感じてほしい」と話した。
クラシック音楽の愛好家らでつくる民間団体「カノンの会」元代表の新垣安子さんは「県内にもスタインウェイのピアノが設置された公的機関のホールはあるが、民間のホールに設置された意義は大きい。子どもたちにとって、このピアノを弾くチャンスが与えられることも素晴らしい」と喜んだ。