経済

これまでは廃棄、キビ先端部から製品化へ 沖縄県農研センター開発 ミネラル豊富な黒糖に

サトウキビの梢頭部と茎部(提供)

 沖縄県農業研究センターの前田剛希上席主任研究員らは、これまで廃棄されていたサトウキビの梢頭(しょうとう)部(先端部分)を搾った汁を使い、抗酸化成分のポリフェノールを多く含む黒糖の製造に成功した。梢頭部汁には、従来の茎だけの汁と比べカリウムは約4倍、カルシウムは約5倍、ポリフェノールは1・6倍ほど多く含まれていた。梢頭部汁を混ぜた有用成分を多く含む黒糖の新たな商品開発につながると期待される。

 製糖業界では、梢頭部が混ざると黒糖は固まりづらく、品質が低下すると言われていた。収穫時に切り落とし、家畜のえさなどに活用してきた。しかし前田上席主任研究員は「不要物」とされてきた梢頭部にミネラルなどを多く含むことを発見し、梢頭部汁入りの黒糖製造に取り組んだ。

 平均的なサトウキビは、梢頭部と茎を全て搾ると約15%は梢頭部汁が出たことから、梢頭部汁を15%、30%混ぜた黒糖を製造。いずれも黒糖が製造できると実証した。

 100人への食味アンケート調査では、従来の黒糖と梢頭部汁入り黒糖で好みに大きな差は見られなかった。黒糖を食べた経験が少ない人は3分の2が梢頭部汁入りを好んだ。梢頭部汁入りは従来の黒糖より色は黒く、水分を多く含んで軟らかいこともあった。苦さや塩辛さを感じる人もおり、半数が味の違いを感じた。

 研究で梢頭部汁を「機能性素材としては有望」と結論づけた。前田上席主任研究員は「梢頭部は不要物ではなく、有用なものだった。好みは人それぞれで、味に変化がある方がいい人もいる」と話し、梢頭部を使った新たな商品に期待した。