南部歯科医師会で着服 女性職員4822万円「生活費に」


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 公益社団法人の南部地区歯科医師会(平良浩会長)に勤務していた50代の女性職員が18年間にわたって、会員が積み立てた共済会費4822万円を着服していたことが16日、同会への取材で分かった。通帳や口座の残高証明書を偽造して発覚を免れていた。2月に退職した女性は、着服金の使途について「生活費に充てた」などと話している。

 女性側が既に4200万円を弁済し、将来的に完済する意思を示したことを受け、同会理事会は刑事告訴を見送る方針を固めた。24日の総会で賛否を諮る。

 同会によると、女性は約25年間勤務し、うち18年間、1人で経理を担っていた。共済会費は会員への融資や病気などの際の見舞金に充てられる。

 着服されたのは融資の返済金で公的資金などは含まれていない。

 女性の仕事が頻繁に遅滞することを不審に思った幹部が昨年7月に外部監査を実施したことで発覚。同月から出勤停止となっていた。

 会員から振り込まれた返済金を毎月20万円程度引き出し、着服していた。監査の際には改ざんした通帳や口座の残高証明を提出した。

 同会は浦添市以南の5市4町5村の歯科医師ら計255人でつくる。

 小中学校への歯科検診など、公益性の高い事業を実施する公益法人で、税制の優遇措置を受けている。