沖縄県宮古島市下地島の海底洞窟から新属新種のタナイス目甲殻類が県立芸術大学の藤田喜久准教授、北海道大学大学院理学研究院の角井敬知講師らの研究グループによって発見され、和名「シモジチヂミタナイス」と名付けられた。藤田准教授は「肉眼では捉えにくい生物で、採取時は分からなかったが、形態観察を行い新属新種と分かったときはうれしかった」と話した。
発見されたタナイス目甲殻類は体長およそ1・2ミリで、日本近海の海底洞窟からタナイス目甲殻類が発見されたのは今回が初めて。短い腹部を持つという特徴から「チヂミタナイス(和名)科に属することが分かった。チジミタナイス科は世界でも2属2種の報告しかない。
今回の新種は、短い腹部に併せ既存の2属のいずれにも該当しないオールのような肢があることから未知の種であることが明らかになった。採取法は海外などで干潟に住む生物の採取などに使われるヤビーポンプを使用した。
藤田准教授は「今後は採取の方法も含めて研究を進め、また新たな種の発見に努めたい」と語った。
新属新種の「シモジチヂミタナイス」は、生物学・医学・環境科学の総合誌「peerJ」で4月26日に公表された。
下地島の海底洞窟から発見された新属新種のタナイス「シモジチヂミタナイス(和名)」(北海道大学大学院理学研究院提供)