沖縄県立博物館・美術館で22日始まった「新収蔵品展」で、那覇市泉崎の地中10メートル付近から出土したおよそ560万~830万年前の樹木の化石が展示されている。化石は昨年12月、琉球新報の新本社ビル建設中にに見つかった。
化石は長さ約85センチ、幅は最大約20センチのマキ科マキ属の樹木の幹部分。種名は不明だが、現在沖縄にはマキ属のイヌマキが自生していることから、専門家はイヌマキ(方言・チャーギ)ではないかと見ている。
化石は島尻層群豊見城層に含まれていて、泥に包まれていたため炭化していない新鮮な状態で見つかった。琉球新報社が17年6月に県立博物館・美術館に寄贈した。
化石に詳しい県立博物館・美術館の宇佐美賢主任学芸員は「イヌマキのような植物が、約500万年前の沖縄に存在していたことが証明された。街の真ん中から化石が出てくることの面白さを感じてほしい」と話した。