FC琉球 初戦敗退 FC今治にPK5―6


この記事を書いた人 琉球新報社

 サッカーの第98回天皇杯全日本選手権は26日、全国各地で開催した。県代表で出場したJ3のFC琉球は、沖縄市の県総合運動公園で愛媛代表のFC今治(JFL)と対戦し、1―1(PK5―6)で敗れた。琉球は昨年同様、今治にPK戦の末に屈した。攻撃的なサッカーを展開するチーム同士の対戦は、両チームの堅守が光り、前後半0―0、延長戦は1点ずつを取り合い、PK戦に突入した。勝利を手繰り寄せたかった琉球だったが、サドンデスとなった6本目を外し、昨年の雪辱を果たせなかった。

FC琉球-FC今治(愛媛) 延長前半2分、ドリブルで切り込んでシュートを決める琉球の中川風希(左)=26日夜、県総合運動公園陸上競技場(大城直也撮影)

 ボール保持率の高いポゼッションサッカーを持ち味とするチーム同士の対戦は、互いに良いシュートを打ち合う一進一退の熱戦となった。FC琉球は運動量のある相手の攻撃を堅守でしのぎ、細かくボールをつなぎ攻め入り、延長戦で先制。勝ちゲームのはずだった。しかし24分に同点弾を許し、昨年に続きPK戦で敗れた。DF瀧澤修平が「悪い時の琉球の試合になった」と声を落とす。J3リーグで課題とする先制後に相手に同点や逆転を許す“勝ち切れない琉球”が大事な試合で顔を出した。

 琉球は序盤から高い位置でプレスを掛け、ボールを奪いカウンターを仕掛ける今治のプレーに苦しんだ。しかしその度に瀧澤や西岡大志らの素早いカバー、GK朴一圭の好セーブで、無失点でしのいだ。

 延長戦開始2分、枝本雄一郎からのスルーパスをゴール前で受け取った中川風希が右足で押し込み先制。待望の得点となったが、ゴール前の混戦で同点弾をねじ込まれた。PK戦は6本目を外し敗退。選手らは天を仰いだ。

 失点は、守備の要である西岡が足をつるなどし、交代した後のこと。金鍾成監督は「PK戦で負けたのは運ではない。(西岡の例など)コンディション調整など、細かな部分で差が出てしまった」と冷静にゲームを振り返り、「これからじっくりとチームのことを考え直したい」と課題修正を図っていく。 (喜屋武研伍)