人間国宝が魂の舞台 「神の美作」公演で琉球芸能の至芸 新報ホールこけら落とし


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幕開けで「かぎやで風」を披露する人間国宝や重要無形文化財「琉球舞踊」保持者ら=26日、那覇市の琉球新報ホール

 琉球新報社新本社ビル落成記念公演「おきなわ文化の祭典 大琉球浪漫」の第1弾となる「人間国宝『神の美作(みさく)』~歌と三線の昔始まりや~」の初日の公演が26日、那覇市の琉球新報ホールで開催された。27日まで。人間国宝5氏らが至芸を披露し、沖縄文化の発信拠点となる新たなホールに魂を吹き込んだ。600人余の観客が訪れ、席を埋め尽くした。
 

 出演した人間国宝は照喜名朝一さん、城間德太郎さん、宮城能鳳さん、西江喜春さん、比嘉聰さん。人間国宝や重要無形文化財「琉球舞踊」保持者らによる「かぎやで風」で幕を開けた。照喜名さんは現存する最古の三線とみられる329年前の三線を演奏した。出演を予定していたが4月に亡くなった人間国宝・島袋正雄さんの生前の舞台映像も上映された。

 照喜名さんは終演後、「正雄先生の分まで、という思いで舞台を務めた。先生も喜んでいると思う。329年前の三線を弾けるなんて神の引き合わせを感じる。大事に演奏した」とほほ笑んだ。

 「おきなわ文化の祭典 大琉球浪漫」は全13公演。琉球芸能のほか、能、日本舞踊、バレエなど多彩な公演が予定されている。