小中ランナーの目標達成を支援 金城勝志さん、クラブ立ち上げ指導 「走りの基礎しっかり」


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 【読谷】高校時代にインターハイや国民体育大会で走り幅跳びの県代表として出場した金城勝志さん(37)=読谷村=が、小中学生向けの陸上クラブ「読谷アスリート」を立ち上げ、子どもたちの育成に力を注いでいる。練習は月曜と木曜、土曜の週3日のみ、平日は1時間半だけの練習時間だが、クラブの所属選手は100メートルで県大会上位入賞、全国大会でも8位に入るなど好成績を残す。金城さんは「走りの基礎をしっかりやれば、自然と速くなる」と子どもたちの成長に期待を寄せる。

テンポを刻みながら、子どもたちを指導する読谷アスリートの金城勝志監督(右)=21日、読谷村陸上競技場

 金城さんは2014年4月に読谷アスリートを立ち上げた。きっかけは、次女の七星さん(13)が小学校1年生のときに出場した新報児童オリンピック。七星さんが100メートルで準優勝したことで、金城さんの本格的な指導が始まった。

 金城さんの指導を受ける長女の若葉さん(15)、七星さん、三女の優芽さん(11)の姉妹を見て、同級生らが集まりだし、今では17人が所属している。「自分で走るより、指導が楽しくなった」と、16年6月にマスターズ陸上35~39歳クラスの走り幅跳びで県タイ記録を出した後から指導に専念するようになった。

 トレーニングは高校時代に自身が取り組んだメニューを小中学生向けにアレンジしている。意識させているのは正しいフォームで走ることだ。「一つの動きをどれだけ追求できるかが、速くなるポイントだ」と話し、それぞれの練習の意味を伝えている。

 クラブの知花美波主将(14)=読谷中3年=は「分かりやすく教えてくれて、質問にもしっかり答えてくれる」と語る。知花さんは小学4年の入部当時は100メートル走が17秒だったが、現在は12秒台だ。「将来は県外の大会でも結果を残せるような選手になり、ずっと走り続けたい」と目標を語った。

 3月に入部したばかりの平田悠人君(8)=渡慶次小3年=は「学校のみんなより速くなって、驚かせたい。練習日がいつも楽しみ」と笑顔を見せた。

 金城さんは「陸上は個人種目だけど、チームで記録を高め合う。子どもたちにはここで燃え尽きず、ずっと走り続けてほしい。一人一人の目標が達成できるよう支援していきたい」と力を込めた。

 (安富智希)